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楽園のおはなし (1-35) BACK / TOP / NEXT |
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「……一口に天使といっても、背負わされた仕事内容や使命などは個々違っていてね。ロードと同じで、階級のようなものもあったんだよ。 ノクトなどは特により古い時代の天使だから別格として、僕やサラカエル、アンブロシアの賢姉や彼女は高位天使として区分されていた。 地母神ヘラの神殿にはそういった高位天使を中心に、神殿の維持を務める天使が何人か雇われていた。他に比べれば小規模だった筈さ」 どこから説明するべきか、藍夜は頭を悩ませながらぽつぽつと話すよりなかった。何せ、人間と天使との間には越えようのない壁がある。 寿命、神への服従、天使としての使命や矜持、生まれながらに備わった能力や魔力など。それらは人間には備わる事のないものだった。 意外にも、ニゼルをはじめ、暁橙やサラカエルは口を挟まずに藍夜の話に耳を傾けている。ある意味拍子抜けだと、藍夜は僅かに嘆息した。 「ヘラ様は天使達に多くを望まなかった。放任していたというわけではないよ、本来の、各々の仕事優先で構わないという姿勢だったのさ」 「ヘラ様」。久しぶりにその名を呼んだような気がして、藍夜は頭を振る。席の向かい側で、ニゼルが小さく身じろぎしたのが見えた。 「ヘラって、聞いた事あるよ。ほら、この間、藍夜と調べ物してた時、本に載ってた女神様だよね?」 目が合った瞬間、ニゼルは遠慮がちに口を開く。困ったような顔や控えめな口調から、話の腰を折らないかという彼なりの気遣いが伺えた。 頷くと同時、そこまで気を遣わずとも、そう言いかけて、しかし藍夜はニゼルの真摯な眼差しに出かけた言葉を自ら引っ込める事になる。 ニゼルらにとって、自分の口から語られるウリエルの話は特別なものなのだ。 鳥羽藍夜という親しい人間と、ウリエルという知りもしなかった遠い存在。両者は非なるものである筈なのに、今や融合してしまっている。 どんな想いで、彼らはこの場に留まり、己の過去を聞いてくれているのだろう。とはいえ、それを問うのは野暮だという事は分かっていた。 (やめよう。僕自身、どう話したらいいのか分からないのに) 大きく息を吐き気持ちを切り替える。鳥羽藍夜とウリエルは別物だ。考えてみれば、藍夜自身も端から受け入れて貰おうとは思っていない。 ウリエルとして、サラカエルには共感と友愛を感じる。ノクトには若干の恨み、琥珀やアンブロシアには親しみめいた慈愛さえ抱いていた。 かといって、ニゼルや暁橙、オフィキリナスへのこれまでの情や親愛を失ったわけではない……それだけで、語ろうという気概には十分だ。 「ヘラ様は、当時からずいぶんと変わった方でね。神話やおとぎ話なんかでは、気難しい冷淡な女神だと書かれていたが、実態は真逆だよ」 「真逆? えーと、」 「つまり、気さくで面倒くさがりで、楽しい事も面白い事も大好きな、ひょうきんな女性だった、という事だよ」 「あー……えーと?」 「……サラカエル、君ね」 ニゼルとの応酬に、意外なところからの横槍。口を挟んだサラカエルは、くつくつと喉を鳴らして笑っている。 「相変わらず回りくどいな。包み隠さず語ってしまえばいいよ、鳥羽藍夜。ヘラ様の神殿は、大変に働きやすい素晴らしい環境だったとね」 「サラカエルさ、それ、嫌み?」 「まさか。僕とウリエルは、本当の意味でヘラ様に助けて貰った身なんだよ。それまでは、仕事柄こき使われる事が多かったからね」 命の恩人だし感謝している、そう続けたサラカエルの表情は、これまで見た事もないほどに落ち着いていて穏やかだった。 恐らくは本心だろう。彼は過去、ヘラに反発する事はあっても、彼女の横に立つ際は如何なる時でも柔和な表情を浮かべていた。 ヘラは雷神の正妻であったし、殺戮という銘を持つ以上サラカエルは多忙の身であり、立場以上に近寄ろうとした場面は見た覚えがない。 (わきまえている、というあたり、サラカエル。君もたいがい、根は真面目なものだね) こちらの回想を余所に、もごもごと何か言いたげに、しかし口を閉じたニゼルを見て、藍夜は肩を竦める。サラカエルはまたも笑っていた。 どうも、二人は会話をする上では相性がいいらしい。そういえば彼はニゲラに対してもこんな風だった、と藍夜は浮かんだ苦笑を止める。 デジャヴ。妙な懐かしさ。親しい間柄。よく似た髪と瞳の色……混同するのはニゲラにもニゼルにも、失礼な事のように思えた。頭を振る。 最も、身分の差もあり控えめな反応を示してばかりいたニゲラに対し、ニゼルの顔は明らかに不満げだった。両者の違いは歴然だ。 「ふーん。お世話になったって割には、小馬鹿にしてる感じしない? 生意気なんじゃないのー」 「やあ、噛みつくね。君はヘラ様とはなんの関係もないのだし、黙って鳥羽藍夜の話を聞いていたらいいんじゃないかな」 「うー……藍夜ぁ!」 「君達ね……」 ニゲラの事を想う暇さえない。それはある意味、幸福な事であるような気もする。藍夜は一時席を立ち、いつものポットを手に取った。 「あれ、兄ィ? 今日はお店は……」 「商品もないのだし、僕の講演会に終始してしまっているからね。ただの休憩だよ」 ハーブティーの材料を匙で投げ入れながら、藍夜は小さく息を吐いて暁橙に応える。 嫌みを込めてノクトにちらと視線を投げるも、喰天使は義妹に淹れ直して貰ったコーヒーを涼しい顔で飲み進めていた。 琥珀や暁橙、ハイウメのように、言いたい事をすぐさま罵倒に乗せる事が出来る性分だったら、少しはこの溜飲も下げられたのだろうか。 ふと考え、肩を竦める。どのみちノクトには軽くあしらわれて終わりだろう。 藍夜の行動を見越していたのか定かではないが、アンブロシアがやかんをキッチンから持ってくる。短く礼を言い、ポットに湯を注いだ。 「ヘラ様の神殿での暮らしは、退屈ではなかったよ。好きに勉学に打ち込む事も出来たし、使命を必要以上に請け負う事もなかったからね」 「……ウリエルの使命、って」 「最後の審判。悪しきと判断された街や集落に対し、地表には嵐と洪水を、天からは雷と炎を招き入れ、文字通り冥府まで押し流す、業さ。 一度審判を下すとね、僕と護衛役のサラカエルはそれに巻き込まれ、転生を余儀なくされる。僕達は、何度死を迎え、器を変えただろう」 ニゼル、暁橙が息を呑む気配が伝わる。淡々と話す自分に向けられる彼らの視線は、憐憫か、同情か、或いは悲哀か。切なげに歪んでいた。 藍夜はなおも続ける事にする。ウリエルの過去を晒す事で、オフィキリナスに、鳥羽瓊々杵らに及んだ悲劇を解明しなければならない。 「死に怯え、審判を拒否する権利は僕達には備わっていなかった。そもそもだ、天使が神の命に逆らうなど、言語道断だったんだ」 審判を下すか否かの判断は、神々が集結した際に開かれる審議会によって取り決める事になっていた。可決となれば、審判官の出番となる。 高位天使といえど、天使はあくまで神の道具。そこに異論は許されず、「死」への恐れなど端から不要と、神々の意見は一貫していた。 互いに、同一の器で生き続ける事を早々と諦めていた。たかが天使、いくら対天使と親しかろうと、神と運命が定めた道理には逆らえない。 ヒトのように動植物のように、死に怯え、逃げ惑う事は愚かで無意味……次第に、ウリエルの感覚が麻痺していくのを感じていたように思う。 (ニゲラに出会って、彼女を喪って、初めて僕は『死』を恐れるようになったのか……いや、それだけではないんだ) 何度目かの転生の折。対天使の生態を解明する目的で設けられた研究機関に送還され、半ば監禁状態にあった際、二人はヘラと出会った。 後日、神殿に戻ったヘラの話によれば、この頃天使達の間で神の目を盗み不穏な動きを見せる者が複数ある、との噂が流れていたという。 後のラグナロクの兆候か、神々は天使の中でも、特に特異な力を有する者、理解し難い共有感覚を持つ対天使などに目を光らせ始めていた。 ウリエル、サラカエルの両名は、悪しき人間や天上界から逃れた天使をその身一つで滅ぼす力を持つ強力な存在。施設送りも妥当と言える。 『イヤだ。わたしはこの二人が気に入った。だから、絶対にわたしの神殿に連れ帰るぞ』 そんな中、神々の思惑、天使達の忠誠心などに唯一反抗して見せたのがヘラだった。彼女はとある諸事情から二人を捜していたという。 周囲の反発に目もくれず、ヘラは自身とサラカエルを施設から強引に連れ出し、雷神に直接掛け合って、双方の身柄を引き取ってくれた。 最後の審判など必要ない、ヒトはヒトが定めた法と掟に従う時代が来たのだ、と彼女は高潔と謳われた美貌のままに夫をなじったという。 正妻とはいえ、雷神と地母神の間には埋める事の出来ない差があった。逆らえば、天上界の為なら鬼にもなる雷神の逆鱗に触れかねない。 しかし、自身の立場など省みず真っ向から偉ぶり哄笑を向けるヘラに――惚れた弱みか――雷神は折れ、審判官と殺戮を解放するに至る。 「豪胆。女性でこそあれ、ヘラ様はそんな方だったのかもしれないね。彼女くらいだよ、命を粗末にする方が愚かだと、僕達を笑ったのは」 神でありながら神らしからぬ、それこそヒトさながらの感情論。ヘラが剥き出しにするそれを目の当たりにして、二人の心も解れていった。 馴れ合いか、類友か。ヘラが神殿に雇い入れる天使達もまたそういった個々の感情を重視する者が多く、双方の日々は穏やかに移ろい行く。 変化に次ぐ変化は、初めこそ大きな混乱と困惑とを齎した。しかしそれが今では、かけがえのない思い出に変貌している事を実感出来る。 「ヘラ様を慕う者は、広く見れば少数だったかもしれない。『天使は神の道具』、それが常識だったからね。最も、ヘラ様はぶれなかった。 雇用される天使も曲者揃いで、例えばアンブロシアの賢姉はヘラ様の補佐官だったんだが、彼女の気まぐれに振り回されてばかりいたよ。 いつかの大規模な審判に巻き込まれて、いつ転生してくるか分からない対天使の天上界への帰還を、彼女は心待ちにしていたようだった。 案外、ヘラ様は彼女が思い詰め過ぎないように、理不尽な我が儘や無理難題を押しつけていたのかもしれない。あくまで僕の推測だがね」 視界の隅で、アンブロシアが目を伏せたのが見えた。悲劇の天使、アクラシエル。彼女の現在の器は最も新しいものと言えるに違いない。 藍夜は頭を振る。今アンジェリカの行方が分からない以上、彼女にかけられる言葉はそう多くない。ましてや、ノクトの喰の事もある。 そもそも、アンブロシアがヘラの神殿に降臨する事がようやく叶ったのはそれこそラグナロクが発生するたった数年前の話だった。 悲劇……気性に反するその銘が、彼女とその周辺を嘲笑っているかのようで、目に見えない運命の皮肉というものを感じてしまう。 「施設送りの件といい、アンブロシアの件といい、最後の審判、ひいてはウリエルという天使が厄介者として認識されていたのは確かだ。 ヘラ様は神殿に雇用するという形で僕を散々庇って下さったわけだが、今思えば、どれほど苦労をかけたか、想像する事も出来ないよ」 蓋を閉ざしていた箱の解錠方法を、ゆっくりと思い出していくように。ウリエルが当時見ていたもの、感じていた事が鮮明になっていく。 淹れたばかりのハーブティーを一口啜り、藍夜は小さく息を吐いた。自身の境遇、ヘラとの出会い、アンブロシアやアンジェリカとの関係。 あらかた話し終える事は出来ただろうと、ひっそりと胸中で自己満足に浸る。視線を向ければ、ニゼルや暁橙は神妙な表情を浮かべていた。 「……それで、だ。他に何か、聞きたい事か補足して貰いたい事でもあるかい。暁橙、ニゼル」 「え? えーっと、うーん、えーと……うん、オイラは特にない、かなあ」 「おや、それはよかった。話した甲斐があったというものだね」 「うん。ウリエルって人とサラカエルは、昔は結構苦労してたんだなーって思った。大変だったんだね、兄ィ」 暁橙はへらりと笑い、藍夜に差し出された茶を一気にがぶ飲みして見せる。あっけらかんとした弟の物言いに、藍夜は頭を抱えたくなった。 「ちょっとちょっとぉ〜。ウリエルもサラカエルもヒトじゃなくて天使でしょ〜、シッカリしなよぉ、暁橙」 「あれ、オイラそんな事言ったっけ? いいじゃん何でも、兄ィが今幸せならそれで」 否、これが「鳥羽暁橙」なのだ。兄とは真逆で、前向きで人好きのする性格を有する好青年。鳥羽藍夜にとって、唯一血の繋がった家族。 彼が弟でよかったと、藍夜は深く思う。ウリエルとして覚醒した今、鳥羽瓊々杵、鳥羽咲耶には、申し訳ない事をしたという後悔しかない。 (もっと早くに、僕がウリエルであると気付いていれば……或いは、もしかしたら) 両親の死因を伏せられているとはいえ、弟はまっすぐ育ってくれた。ウリエル、鳥羽藍夜を混合せず、彼は二人を分けて捉えてくれている。 野次を飛ばした琥珀を撫で回しながら、暁橙はいつも通り明朗に笑っていた。その姿を見守る事が出来るだけでも幸運といえるだろう。 藍夜は心の底から安堵した。この青年とは、恐らく過去を抜きに、これからも鳥羽兄弟として仲良くやっていく事が出来るだろうと―― 「藍夜。ウリエルの記憶があるってどんな感じ? 『意識』とかは残ってるの? 全部覚えてるんだよね、ラグナロクの事も。辛くない?」 ――そう、そうして安心しきっていたが故に、藍夜は正面から掛けられたニゼルの言葉を受け止める事が出来ず体を硬直させてしまう。 理解し難い。綻んでいた顔を半ば引きつらせながら藍夜は幼なじみを見返した。視線は逸らされず、真っ向から藍夜を見据えている。 「藍夜にとって、ううん、ウリエルにとって、天使の世界……天上界だっけ、そこでの暮らしが、幸せだったっていうのはよく分かったよ。 じゃあ、今の藍夜は? 思い出して、俺達にウリエルの話をしてくれて、それで、サラカエルやアンと再会して。藍夜は今、幸せなの? ウリエルになって、アンやサラカエルと天上界に帰る? それともここに残る? 藍夜にとって、一番大切にしたい場所って……どこ?」 頭を、こめかみを、横から鈍器で殴られたような衝撃が身を打った。藍夜は言葉を吐こうとして、しかし二の句を出せず声を詰まらせる。 喉の奥に、言語が張り付いてしまったかのようだった。ニゼルは応えない藍夜を見て、あっという間にその表情を悲しげに歪めて見せる。 「……違う、違うんだよ、ニゼル。僕とウリエルは、別物だ。違う生き物なんだよ」 昔から、彼に泣かれるのに弱かった。そうだ、この場を収めるにはその記憶だけで十分だ。藍夜は身を乗り出して、必死に言葉を探す。 ウリエルと鳥羽藍夜は、魂こそ同一であれ、異なる存在。かつて愛したもの、慈しんだ場所を覚えていても、今となってはまるで無意味。 転生とは、死とは、本来そういうものだ。殊更、ラグナロクが起きた後では……サラカエルらが無事だった事自体、歓喜すべき奇跡に近い。 (無意味……そうだ、ニゲラの事ですら、今の僕には何の道標にもならない) ヒトとして生まれたからには、鳥羽藍夜は鳥羽藍夜にしかなれない。突きつけられた現実が、思い出話の余韻を無情にも掻き消していった。 ウリエルの記憶を有し、使命を担えるほどの力が備わっていようと、ニゼルや暁橙にとっては鳥羽藍夜の存在だけが現実であるといえる。 ……話さなければよかった、藍夜は今更そう後悔した。しかし、どう弁解、弁明しようと、紡がれた言葉をなかった事にする事は出来ない。 「あの、藍夜? ……ご、ごめん。俺、今すっごく酷い事、」 「いや、いいんだ。僕も少し、感傷的になっていたんだと思う。混乱させて、すまなかったね」 どうかしていた、藍夜は顔を青ざめさせる。ウリエルの話を披露したところで、ウリエルとしてあの時間をやり直す事は出来ないのだ。 ニゲラは戻ってこないし、ヘラの神殿も立て直せるとは思えない。ましてやヘラの行方でさえ、ラグナロクの後の動きが不透明なのだから。 (そうか、サラカエルは『僕』を探すついでに、ヘラ様の動向も探っていたのかもしれない) ふと、彼が探索能力に優れる神具に異常にこだわっていた理由が今になって分かったような気がした。 藍夜は頭を振る。考えたところで、たとえウリエルの瞳術を以ってしても、神という絶対的な存在を追跡する事は叶わない。 自分は、ヒトだ。天使であったが、人間なのだ。なおかつ相手が神ともなれば、しもべでしかない天使の術など気休め程度にしか働かない。 「出来る事は何もない」。 ニゼルの問いによって見出した結論はしかし、藍夜を気落ちさせるのに十分だった。大きく息を吐き、椅子の背もたれに寄りかかる。 目を閉じ、闇の中でニゲラの面影を探ろうとしてみても、あのうなされた夜と同じ光景に触れる事はついに出来なかった。 目を開け、顔を上げると、始めにニゼルが気遣うような視線を送ってくれている姿が見える。次に、同じくこちらの様子を窺う暁橙の姿も。 (ニゲラ。君にもこの風景を、見せてあげられたら……) 自嘲的に口端を吊り上げ、ゆっくりと身を起こした。お茶のお代わりでも、そう言いかけたところで、藍夜は再び言葉を飲み込む事になる。 「おや、肝心な話を二つもしていないじゃないか。君にしては流されるなんて珍しいね、『ウリエル』」 「!? サラカエル! その名で僕をっ、」 「え、肝心……? ちょっと待って、なに、どういう事? サラカエル」 「ニゼル、君はっ、」 くつくつとした笑いは響いていた。しかし、対天使の双眸はまるで笑っていない。殺意と悪意に濡れた眼差しが、藍夜とニゼルを睥睨する。 水を差す真似は許さない、サラカエルは如実にそう語っていた。凍てつく目線のうち片方、即ち彼の右瞳は鮮やかな瑠璃に染まっている。 「『ニゲラ』と『ロードを使い続ける上でのデメリット』さ……君が今後ヒトとして生きるつもりなら、避けて通れない道じゃないのかな」 |
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