取扱説明書  ▼「読み物」  イラスト展示場  小話と生態  トップ頁  サイト入口



楽園のおはなし (1章番外編)

 「1章番外編(1)」 / TOP / NEXT




(手招く主の指先)


眼下に広がるのは、薄紫の山だった。もこもこと柔らかなそれは、駆け回る白と黒の牧羊犬らに導かれ、草原を決められた通りに歩き回る。
アルジル羊と呼ばれるそれらの羊は、需要の高さとは真逆に非常に繊細で短命、飼いにくいとしてこの近辺では有名な家畜だった。
染色素材によく馴染む毛質、絡みにくく加工しやすい繊維、元来の上品な色合い。職人であれば、一度は触れてみたいと願うほどの一級品。
現在、それらの飼育を手練れとして任されているのは、北方の街ホワイトセージに代々居を構えていた、アルジル牧場の血族らであった。
……この話が過去形であるのは、今から数日前、ホワイトセージが何者かの手によって死者の街へと変貌させられてしまった事に起因する。
突然訪れた惨劇は、ホワイトセージの住民の七、八割以上が落命するという異常事態として、王都に住まう民衆を震え上がらせた。
真相の解明は、王国自慢の剣の達人が集う第二騎士団を筆頭に着手されたが、帰還した者達は顔を蒼くしてこう零したという。
「あれは人間の成せる業ではない。ヒトならざる、心ない悪しき者の仕業に違いない」、と。

「……それで、貴殿は何の成果も揚げずに戻られたと。とても解明しきれるものではないから仕方がないと、そう言い訳するのかね」

執務室の奥、周りの家具同様、樫の木で造られた机に陣取りながら、王の執務補佐を務める右大臣は眼前の人物に鋭い視線を投げた。
険しい顔が、なおさらきつく歪められる。神経質で苛烈な人物として知られる彼の機嫌は、今や地の底に至るかと思えるほど傾いていた。

「は。お言葉ですが、協力すると公言しておりましたオフィキリナス店主の容態が芳しくなく、避難民の健康に影響が出ておりましたので」

冷や汗を拭いもせず、右大臣に向き合う男は頬を引きつらせる。第二騎士団副団長、インディコール=グレイス。
件の視察団を率い、ホワイトセージの調査に出た筈の彼がこうして追及を受けているのは、事態の解明がろくに進まなかった事が原因だ。
街を治めていた街長とその息子曰く、今回の事件に直接関わっていたという丘の上の骨董店、オフィキリナスの店主、鳥羽藍夜。
ロードを操り、国王とも秘密裏に交流があったという、若き経営者。彼ははじめ、遺体の収容の補佐と、事件の概要の説明を担う筈だった。
しかしいざ協力を求めようとしたところ、友人だと自称する長髪の黒衣の男によって、彼との接触をことごとく阻まれてしまったのだ。
なんでも、事件が原因で心身に深い損傷を負ったのだと。冗談ではない、思い返しただけでインディコールは腸が煮えくり返る思いだった。
辛うじて生存者を王都に移送する事に成功したものの、街に残されていた遺体の損傷は思いのほか悪く、騎士達の士気にも影響を及ぼした。
辛いのは貴殿らだけではないのだぞ――店主に直接ぶつけられなかった言葉を飲み込み、インディコールは右大臣に弱々しく頷き返す。

「王が、貴殿に期待しておられるのは貴殿も耳にした事があるだろう」

一拍の沈黙の後。右大臣は、朽ち葉色の前髪の隙間から、インディコールを舐めるような目で見上げた。

「若くして第二騎士団の副団長となり、魔物退治を始め、新人騎士への指導、帝国から来た亡命者への施し、商店街の警邏。大したものだ」
「は、お褒め頂き、恐悦至極に御座います」
「インディコール=グレイス! 私はな、王と違い、今ここで貴殿を褒め称えた覚えは欠片もないのだぞ!」

空気が凍り付くとは、この事だ。初老という年齢を感じさせない怒気に満ちた叱声は、執務室のあらゆるものをびりびりと震わせる。
インディコールはごくりと唾を飲んだ。彼が怯み、言葉を失った様を睥睨してから、右大臣は垂れてしまった髪を手で後頭部へ撫でつける。

「此度の遠征は失敗だ、王には私から報告する。せっかくの天使の進言を、貴殿はこの年寄りの戯れ言としか受けておらんようだからな」
「お、お言葉ですが! 私は、全く以ってそのようなつもりは……」
「聞こえておらぬとでも思うたか。インディコール、私の耳は、貴殿と違って東西南北の四つに分かれておるのだぞ」
「大臣、それは誤解です。私は、」
「もう良い。この話は終いだ、通常業務に戻ってくれ」

誰が密告したのだ――インディコールは羞恥と屈辱で顔を赤くした。見越していたのか、右大臣は目を閉じ、手を振って退室を促してくる。
その様子は、あのオフィキリナスの店主を彷彿とさせた。余計に腹が立つ。しかし、これ以上の反論は無駄である事を副団長は知っていた。
頭を下げ、毅然ときびすを返し廊下に出る。無意識に溜息が漏れた。視線を感じて顔を上げると、怯えた表情のメイド達と目が重なる。

「……聞かれてしまったかな。いや、私が不甲斐ない故の、愛ある指導だとも。君達は気にせず、業務に戻ってくれたまえ」

インディコールは、怒りを押し殺した。いつも通りに人好きのする爽やかな笑みを浮かべ、彼女達の仕事を労う。
若い娘も、熟した女も、ただその一言だけで目をうっとりと輝かせた。右大臣と違い、彼は城内では非常に味方が多かったのだ。

「グレイス様。ホワイトセージの件、大変だったと聞いております。お疲れではありませんか」
「ちょ、ちょっと! あんた、一人だけ抜け駆けは……」

一人、新人と思わしき青いエプロンドレスに身を包んだ娘が、インディコールに詰め寄った。周りの女達から微かな非難の声が上がる。
インディコールは一瞬照れくさそうにはにかみ、胸の前で柔く組まれた娘の手に、自身のそれをそっと重ねた。

「コールで構わないよ。それより、王城の景観を損ねまいと努力を惜しまぬ君達の方が大変ではないのかね。怪我には十分気をつけたまえ」

黄色い歓声が上がる。中には、恍惚とした顔でその場に崩れる者もいた。彼女達の反応に満足げに頷き、インディコールは青い衣を翻す。
……右大臣が如何に王に信頼されていようと、持つべきものは数多くの他人からの評価と、惜しまぬ努力で手に入れる至高の美貌だ。
彼は陰気で嫌みったらしく、王以外からの人気は低迷していると聞いている。ましてや、「天使の声を聞いた」などと吹聴するくらいでは。
インディコールはほくそ笑んだ。彼がこちらをどう見定めていようと、王城や城下町における自身の評価は、近年うなぎ登りの勢いだ。
老いぼれめ、せいぜい吠えていろ――渡り廊下を抜けたインディコールは、いつしか、城の裏手に広がる牧草地に踏み入っていた。

「……おお。これが、アルジル羊か」

アルジル牧場で飼育されていたもののうち、半年から一年ほど前、交配用にと王都へ移された羊達。
薄紫の気品溢れる色彩が、燦々と降り注ぐ初夏の光に照らされ、きめ細かく輝いている。
アルジル牧場専売であった家畜を、何故王国が直接管理するに至ったか。利益として見込めるならば、量産に挑むのも人の性というものだ。
これは確かに、皆が欲しがるわけだ……インディコールは眩しそうに目を細め、籠手をはめたままの利き手を、ゆっくりと前に伸ばした。

「あー、ちょっとちょっと。そんな大層なものを着けたまま、触らないでちょうだい」

毛に触れる直前になって、制止の声が掛かる。何事かと顔を上げた副隊長は、空色のつなぎ服を着た女の姿を見つけて手を引っ込めた。
ストケシア=アルジル。アルジル牧場の経営者の一人で、数日前に王都に移送された避難民の一人だ。夫サルタンの姿も、すぐ傍にあった。
二人は牧羊犬シロとクロに手で指示を出し、羊達が道を空けたのを確認してから、こちらに歩み寄ってくる。
正直なところ、あの貴重な羊毛に触れる機会を奪われた事に、インディコールは内心不満だった。

「確か、視察団の隊長さんよね? その節はお世話になりました」
「見学ですか、それとも、避難民の容態の確認に? 仕事熱心でいらっしゃいますなー」

二人は人好きのする笑みを浮かべ、インディコールに手を差し出した。これはどうもと、籠手を外して素直に応じる。

「まあ、そんなところです。いや、お二人とも、思ったよりお元気そうで」
「あら、そんな事。手の掛かる息子がいなくなったんで、夫婦水入らずでのんびりしておりますのよ」
「国王陛下をはじめ、皆さん協力的で。助かってます」
「そうですか、それはよかった。必要なものがあれば、すぐにでも用意されましょう。何なら、今からでもニゼル君を連れてきましょうか」

インディコールは冗談と社交辞令のつもりで、彼ら二人の愛息の名を使った。しかし、夫婦の顔に微かな翳りを見て、彼は口を閉じる。
彼らとて、置き去りにしたくてしたわけではない筈だ。しかし、独身である自分には彼らの心情を真に理解する事は難しい。
言葉を探すように延々と黙していると、サルタンが気楽そうな風に、インディコールの銀の肩当てを叩いた。

「辛気くさい話は、なしにしましょう。アルジル羊を見るのは初めてですか」
「え、ええ。いやしかし、見事な毛で。噂は聞いていましたが、ここまで良質なものだとは」
「国王陛下は、ここを拠点に量産体制を取らせたいらしいんですけどね。まあ、無理じゃないかなーと」
「無理? それはまた何故。飼育に慣れた、あなた方もいるのに」

羊達は、我関せずといった様子で草を食む。実に和む光景だと一人頷くインディコールだが、アルジル夫妻の顔は曇るばかりだ。

「住み慣れた地を離れる事は、人間とて不安や不信感、重圧を感じるものだわ。ましてや、繊細な気質だというのなら」
「! それは、いや……そうかもしれないが、あなた方の育て方次第ではどうにでもなるのでは?」
「隊長さん。馬鹿げた話かもしれないが、あの丘の上の牧草は、神様の加護があるんじゃないかってくらい特別な品質をしているんですよ。
こいつらは、あの草でないと駄目なんだ。仮に余所に種を植えたとしても、同じものは芽吹かない。アルジル羊は、今代で終いでしょう」
「そんな馬鹿な、では、王の策は」
「言っちゃ悪いが、夢物語というのがせいぜいでしょうな」

インディコールは、呆然と立ち尽くす。今、この場にいる羊達の全てが終わりを迎えるのを、二人は待ち続けているというのか。
時間と手間はおろか、愛情も情熱も確かに注いできた筈なのに。頬が震えるのを感じるも、インディコールは拳を握り、平静を取り繕った。

「……この話、王はご存じか」
「話しましたわよ? 聞く耳持たれませんでしたけど」

ストケシアは嘲笑さえして見せる。サルタンはそんな妻を窘めたが、あまり本気で叱っているようには見えなかった。
牧草、飼育環境……全てが適合しないまま、ゆくゆくは死にいく最愛の家畜達。その未来を予見して、二人はここに留まるのか。
自分達は、とんでもない思い違いをしていたのではないのか。インディコールは、背中を向けた夫婦にそれ以上の言葉を掛けられなかった。






インディコールには、一つ上の兄がいた。非常に優秀で、武芸にも勉学にも長け、それだけでなく芸術の分野にも明るく、博識だった。
兄が、アルジル羊に強い関心を示していたのは知っている。貿易商上がりの富豪である父に、是非交流を持つべきだと熱弁していた事も。
熱中出来るものにはそうして我を忘れる性格だったが、兄は優しい青年だった。インディコールの事をコールと呼び、よく可愛がっていた。

『コール、コール。アルジルの羊毛は、とにかく美しいんだよ。都で見て以来、忘れられないんだ。お前にも一度見せてやりたいなあ』

ある日、兄はホワイトセージにアルジル羊を見に行くと言って屋敷を出た。夕方には着く筈だと告げ、意気揚々と意気込んで行った。
しかし、次の日になっても兄は帰らず、父母はその安否を案じた。案の定、彼は翌々日の早朝、街道から反れた森の中で発見された。
既に息はなかったという。帝国との争いで落ちぶれた元兵士や傭兵らが僅かな金銭を目的に、兄は護衛していた商隊もろとも襲われたのだ。
あれほど、優秀な逸材だったのに。誰もが彼の死を悼み、嘆き、悲しんだ。
帰宅した物言わぬ息子を見て、父母は慟哭した。インディコールは葬儀が始まる前から、否、終わった後でさえ、二人から軽んじられた。
優秀な兄。努力してようやっとその地点に届く弟。目いっぱいの愛情を受けて育った兄を、インディコールは、無意識のうちに憎悪した。
何をしても勝てない、見向きもされない、認められない。ならばと懸命に努力に勤しんだが、父母は兄の亡霊にしがみついたままだった。
……いつか、兄が馴染みの服飾店から譲り受けたと言って、肌身離さず持ち歩いていた薄紫の糸の束。
タオル一枚分の材料にも満たないそれを、インディコールは兄の遺品置き場から盗み、自身のマントの内側に仕舞い込む。
許し難いと、そう思った。いつの日か、兄が焦がれて止まなかった極上の毛には、自分だけが直接触れてやろうと考え続けてきたのだ。

(その機会が、今だというのに)

居住区へ続く天空回廊――王城の名所として名高い、北の塔と南の塔を繋ぐ石造りの橋――を渡りながら、インディコールは嘆息する。
あの後、アルジル夫妻からは言外に放っておいてくれと突き放された。インディコールは、密かな願いを叶える事が出来なかったのだ。

(だが、まだ機会はある筈だ。少なくとも、あのような庶民風情の言葉を王は信用されないだろう)

まだ諦めたわけではない。自分をないがしろにした父母も、偽善者めいた兄も、何もかもが憎いのだ。必ず後悔させてみせる……。

「……ん? これは、珍しい事もあるものだ」

ふと、足を止めた。いつの間にか、城内に白い霧が生じている。視界が霞み、回廊の先がよく見えない。
これはどうした事か、天の神の気まぐれか……そう呟きかけて、インディコールは自嘲的に自分自身を鼻で笑った。
何が神だ。どれだけ父母が神に祈りを捧げても、兄は帰らなかった上に、生き返りもしない。その声すら聞こえてこない。

「本当に神とやらがいるのなら、姿の一つでも見せてはどうだ」

霧に乗じれば可能だろう、インディコールはくつくつと笑う。白い幕が発生する直前まで、天空回廊には自分以外の何者の姿もなかった。
もしこの場に、何の前触れもなく姿を現す事が出来る者がいたとしたら、それこそ人智を越えた神や天使の類であるのに違いない。
しかし、彼は信仰心など持ち合わせていない。もしそのように出現する何者かがあれば、それは堕天使として斬り伏せるつもりでいたのだ。
本当に神というものが実在しているのなら、兄や父母、それらに捕らわれた自分を解放してみせろ――高笑いを堪えようと、腹を抱えた。

『――主は、汝の……すぐ、傍らに』
「……何?」

その瞬間、その一瞬に変化は訪れる。インディコールは、霧の中、ぼんやりと浮かび上がった何者かの影を見た。
やがてそれはこちらへと歩み寄り、いつしか彼の前にしゃんとして立っている。美しい容姿の、見覚えのない人物だった。
君は誰か、そう問いかけようとして、若き副団長は声を喉に詰まらせる。決して比喩ではない。彼は苦しげに、喉を手で押さえた。
声を出したいのに、言葉が出てこない。まるで、発言する事を封じられているかのように……喘ぐように、インディコールは体を震わせた。

『聞くがいい。汝は、……に、選ばれた。我らが偉大なる主に、その天命に。汝、これを誇りとせよ』
(選ばれた? ……一体、何の話をしているのだ?)
『我らは汝の迷える魂を救済せん。これは、ゆくゆくは世界の糧となる導きである』
(救済? バカな、何様のつもりだ)
『憂いも失意も、悲しみも。主は、全てを見、胸を痛めておられる。案ずる事なかれ、これより汝が目にするは、主が観る世界そのもの』
(待て、待て! 貴様、貴様は何者か! 一体、何を言って――)

――酷い耳鳴りがした。まともに立っていられず、インディコールはその場に屈み込む。白銀の甲冑が、がちゃりと揺れた。
頭が揺れ、視界が霞む。一体どうした事か、声を荒げようとも、それが言葉として口から吐かれる事もない。意識が遠のいていった。
そうして彼が一人、膝を着き続ける事、二、三十分。ようやく霧が薄らいだ頃、彼はおもむろに両目を開け、静かにゆっくりと立ち上がる。

「……これは、ああ。うん……そうだな、『なかなか良い器』だ。上出来ではないのか、『ミカエル』」

立ち上がった副団長の声は、従来のものより遙かに硬質で、冷淡な響きを持っていた。
彼の独白めいた言葉の後、霧から釣られるように姿を見せたのは、大天使ミカエルだ。跪く天使に、インディコールは満足げに笑いかける。
不思議な事に、彼の瞳は、本来の灰緑から黒みを帯びた神秘的な青色へと変貌していた。
その体は、言動は、立ち振る舞いは。まるで別の何者かと魂ごと入れ替わってしまっているかのように、異質で異常な雰囲気を纏う。

「さて、時間が惜しいな。この『器』が朽ちるより先に、早急に我らの目的を果たさなければ」

ブロンドの髪が揺れ、宙に薔薇の芳香がほどけた。インディコールは、当初の目的地である自室に向かわず、来たばかりの道を引き返す。
天使ミカエルは副団長の背を見送りながら、深々と頭を下げた。美しい大翼が打ち鳴らされ、初夏の風を抱き込むように、力強く羽ばたく。
彼らが去った後。天空回廊を中心として張り巡らされていた白い霧は、跡形もなく消失した。
空は澄み渡り、鳥達がさえずり、人々はアルジル羊を眺め和やかに談笑する。それは王城ではお馴染みの、いつも通りの平穏な光景だった。






……その日以来、王国第二騎士団は副団長インディコール=グレイスの姿を城内で見かけた者は、誰もない。
ただ、城下町で彼とすれ違った彼と面識のある者達は皆、小規模編成の捜索隊に向かって、こう話していたという。
「あの方はまるで、生まれ変わったように別人になられてしまった」、と。
近寄り難く、恐れ多く、どうあっても畏怖を抱いてしまうのだ、と。その変貌の詳細は、終ぞ彼らの口から語られる事はなかった。

彼はどこへ行ってしまったのだろう。
辞めたのだと惜しむ声もあった。お会い出来なくて寂しいと零す者もいた。しかし、副団長の消息を知る者は、一人としていなかった。
彼の姿が最後に目撃されたという、王城の天空回廊。その石造りの上に、一枚の羽根が落とされていた。
しかし、それに気付いた者は、不思議として誰もない。





 「1章番外編(1)」 / TOP / NEXT
 UP:18/08/11