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聖夜の翌日(楽園のおはなし3章SS)


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(おめでとう、あなたに出会えて嬉しい!)


「ニジママさま、ニジママさま! 見て下さいですの〜!!」
「おはよう、アスター。どうしたの?」

見慣れた明るい笑顔。
朝一番に洗面台に駆け込んできたと思ったら、洋装が乱れるのも構わず入り口付近から大はしゃぎ。
どうしたの、ともう一度聞いてみると、恥ずかしそうにもじもじしながら両手を背中に回す。
えいやっ、の掛け声宜しく取り出したのは、赤の包装紙にピンクと白のレースリボンが巻かれた小袋だった。

「クリスマスプレゼントですのぅ! 朝起きたら! 枕元に! 置いてありましたの!!」

頬を紅潮させ興奮覚めやらぬと言わんばかりに、包みを見てくれ、と差し出してくる。

「ニジママさまの言う通りサンタさんはいましたの! お姿は見損ねましたけど……プレゼント、貰えましたのぅ」
「へえ、そっかぁ。じゃあアスターは良い子だねって、サンタさんが会いに来てくれたんだね」
「はいですのぅ! 出来ればお会いしたかったですの、でもでも、アスターとっても嬉しいですの!!」

……当然、ニゼルは彼女がプレゼントを貰える事も、その包みの中身も知っている。
中身を用意したのはノクトだし、照れていないで用意してやれと急かしたのも自分なのだから。

「おめでとう、アスター。じゃ、これは俺から」

――今が一番良いタイミングだろう。彼女に「これ」を渡すのは。
洗面台の横に隠すようにして置いていた包みを手に取り、繁鼠色の髪の少女にそっと差し出した。
夜色の包装紙に琥珀色のリボンを巻いた四角い箱。
彼女の能力を模して予め用意しておいた、彼女個人の為だけのプレゼント。

「昨日はクリスマスイヴ、今日はクリスマスだけど、知ってる? 今日はアスターの誕生日でもあるんだよ」
「……え? え、ええっ? ニジママさま!?」
「お誕生日おめでとう。皆にはナイショだからね?」

(本当は皆だって。藍夜もヘラもサラカエルも、シリウスも琥珀も珊瑚も真珠も、アンだって、覚えてるけどね)

震えながら伸ばされた小さな手。驚きと困惑を表情に滲ませ、その直後に浮かんだのは……満面の感動と感激。
破顔は感謝の言葉と歓喜を溢れんばかりに示し、両腕で祝いの品を愛おしそうに抱き締める。


おめでとう、お誕生日おめでとう。愛しい君。
この聖なる夜に、君への祝福が数多に降り注ぎますように。


……

「――そうでしたか。それは良かったですね」
「はいですのぅ。昨日はイヴパーティーで、今日はアスターのお誕生会。ご馳走もとっても美味しかったですの」
「そうですか。では僕からはこれを」
「? レヴィも、ですの?」
「大切な姉、ですから」
「……嬉しいですの、ありがとうですのぅ。中、開けてみていいですの?」
「どうぞ」

星降る聖夜、零れ星。
銀の煌めき、小さな光。

「……アスター、アクセサリーなんて初めて貰いましたの」
「はい。クリスマスの定番だそうですよ」
「……ふふっ、レヴィはおませさんですの」
「そうですか。そうかもしれないですね」


Happy birthday , I would like to be your hope from now on...




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 UP:13/12/28