取扱説明書  ▼「読み物」  イラスト展示場  小話と生態  トップ頁  サイト入口



持ちつ持たれつ旅仲間(楽園のおはなし2章SS)


 TOP 




(愛情イッポン、哀愁イチバン)


「カレー作るよ! シアに教えて貰ったレシピだから、自信あるよ〜!」
「!? 貴様、血迷ったか、ニゼル=アルジル!」
「ちょっとシリウス、琥珀が料理したいって言い出したのであって俺がやれって言ったわけじゃないからね?」
「ちょっとケツー。ニジーに因縁付けてないで、僕がどれだけ出来る騎獣か、そこで見てなよ」
「何故あんなに自信満々なんだ。そして、何故俺に敵対心を燃やしているんだ」
「あのさ、シリウス。教えるから。ていうか、一回胸ぐら離して?」
「……、ああ、すまん」
「ふー……んー。藍夜が甘やかしたから、かなー。俺がシリウス頼ってるから気に入らないんだと思うよ」
「藍夜? ……ああ、鳥羽藍夜、だったか。お前達と親しかったというロード使い」
「そうそう。元はといえば、琥珀は藍夜の騎獣だからねー」
「どういう理屈か、よく分からんが」
「あはは、だからね? シリウスが優秀だから、妬いてるんじゃないか、って事!」
「……意味が分からん」
「藍夜の騎獣だもん、似ちゃったんじゃない? 藍夜も誰かと張り合ったり、素直じゃなかったりしたから」
「だとしても反面教師にする事も出来た筈だろう。子供か、あの獣(けだもの)は」
「それが琥珀だからね。初めて会った時から、ずっとあんなだよ」

「――おーい、二人とも! 出っ来たよ〜。僕特製のー、激ウマカレー、スペシャル〜エディショーン!」

「……あの緑色の煙は何だ、ニゼル=アルジル」
「ええー? 俺に聞かないでよー。……琥珀ー? 味見したよね、それ?」
「エー? してないケド」
「味見抜きの調理など有り得るのか」
「シリウス、声震え過ぎだよー。琥珀? それ、味見してないなら俺もシリウスも食べないからね?」
「エ? なんで?」
「なんでも。自信、あるんでしょ? なら、琥珀ひとりでも美味しく食べられるよね?」
「おい、ニゼル=アルジル……」
「イヤ、ニジーとケツに作ったヤツだし、」
「ひ、と、り、で、食、べ、る、よね? ねえ? 琥珀?」
「……」
「……」
「ね、琥珀?」
「ざ、材料無駄にしてごめんなさーい……」
「それだけじゃないでしょー!? 焦がした鍋も、ひとりで片付けなさいっ!」
「わーん!! 羽根引っ張るのヤメてよぉ〜! ニジー!!」
「……大丈夫なのか、俺。こんな奴らに同行して」

〜 このあとカレーはシリウス大先生が作り直して皆で美味しく頂きました 〜

「おっ、お、覚えてろよ〜、馬の癖にっ!!」
「馬じゃないと言ってるだろう」
「ぎゃわぁー! らっきょー臭いっ! こっち来んな、鼻先に持って来るなぁー!!」
「琥珀ー、シリウスー? 五月蝿いよー。静かにしないと野良魔物来ちゃうでしょー。俺、戦わないからねー」
「……お前……戦えない、ではなく、戦わない、なのか。ニゼル=アルジル」
「んん〜。ニジー、戦闘スキルほぼないからね〜」
「そういう事。……ふふっ、ふたりとも、頼りにしてるからね」




 TOP 
 UP:15/03/30-ReUP:18/12/06