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愉快で不快な仲間達(楽園のおはなし3章SS)


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「レビヤタンもジズも、ヒトの形になると黒髪だねえ」
「そうですね。擬態ですが、もうずっとこの造形で過ごしてきましたから」
「おうよ、しょーがねーよな……オレ様がコイツに合わせてやってるわけだからな、オレ様は天才だからな!!」
「そうですか」
「凄いねえ、顔色一つ変えないのだねえ、レビヤタンは」
「光栄です」
「ボクは褒めた記憶がないのだけれど」
「おいおい、もうボケ始めちまったのか、ベヒモス! しっかりしとけよなぁ!」
「……」
「……」
「ん? なんだ、オレ様に遠慮しねーで話をしてていいんだぜ!」
「……」
「……それで、黒髪がどうかしたんですか」
「ああ、うん。そうだねえ、そういう話だったねえ。大した事じゃあないんだ。ボクだけ髪色が違うなあって」
「髪色だ? なんだよベヒモス、気にしてんのか」
「確か牙と表皮に合わせた象牙色でしたね。『綺麗な色ですのー』とアスターさんが『褒めて』いましたが」
「(今そことなく敵意を感じたぞ、オレ様は)」
「(大丈夫だよ、ジズ。実はボクも同意見さ)」
「それが何か問題が?」
「ううん、ないよ。ただねえ、ちょっと寂しいなあとボクは思ってしまってね」
「そういうものですか」
「うん。だから、大した事じゃあないんだ」
「……なんだよ、そういう事ならもっと早く言えよな」
「? ジズ?」
「オレ様に任せておけよ、ベヒモス! 天才なオレ様がバッチリその悩みを解決してやるぜ!!」
「いやな予感しかしませんね」
「奇遇だねえ、レビヤタン。ボクも同意見さ」


〜 今暫く後々の話 〜


「やあ、キルケー。久しぶりだねえ」
「! ベヒモス様! お久しゅう御座いま……――!!!?」

(ベヒモスの頭は黒いペンキで塗り潰されている!)

「何年ぶりだろうねえ、ご無沙汰だったねえ。今まで楽園都市にいたんだろ。ジズも君に会いたがっているよ」
「あの……ベヒモス様……」
「そうそう、白葡萄が今年もよく実ったんだよ。後で君もおあがりよ」
「はい、それは……そ、それで、ベヒモス様。その……」
「なんだい、おかしなキルケー。さっきから顔が真っ青じゃあないか」
「いえその頭というかその御髪は」
「ああ、これかい? ジズとレビヤタンがねえ、『お揃いの黒髪』になるように染めてくれたものなんだ」

(ペンキ? の一部には何かの根や足や指先が見受けられる)

「……………………そうですか……」
「うん。何はともあれ、ボクは今とてもご機嫌なんだよ、これでちいとも寂しくないよ」
「(あとで黒色に染められる染髪料を作って差し上げよう……)」


(世界最強の三柱、そのアフターフォローも海の魔女のかんたんなおしごと)




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 UP:14/07/15ーReUP:18/12/06