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愛の日(燃やされた魂よ) TOP |
あの日 君は灼熱の痛みと戦っていた うなされるような激痛が体の自由を奪い 次第に冷えていく魂の音色は 耳元から遠のくばかり 駆け回っていた足取りも 無邪気に笑う顔も 少しずつ 少しずつ 変わりゆく町並みのように 掻き消えた遠雷のように 手元から離れ 次第に忘れられていくだろうか 歳月とともに薄れて微睡み やがて記憶の全てから 私の無責任な脳の中から あの温もりともども消えてしまうだろうか 君はあんなにも懸命に命を燃やしたのに それすら忘れてしまえるというのだろうか ああ、 なんと愚かで悲しい生態だろう 君よ どうか今は 苦しみも悲しみもなく 餓えもなく寂しさもない 楽土の中で笑っておくれ 息を吸い 菓子を食べ 花の香にむせることなく さいわいの中で笑っておくれ 君と同じところにいけるとは思わない けれどどうか君よ 家族の輪の中にいた君よ どうか今は しあわせの中で笑っておくれ |
TOP UP:22/01/17 → ReUP:22/03/21 |