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(呪詛)


人が死んだら星になるなんて大嘘さ
良くて灰
悪くて骨と金になる
ここでいう金ってのはきらきら光るやつじゃない
誰もが喉から手がでるほど欲しがる生活必需のカネの方

幾千幾億の涙を土に吸わせて
新しい芽が日の目を見た日も確かにあった
だけど自分の背後を振り返りゃそんなもの
たった百年単位のまぼろしさ

(うっすら透ける視界の果てに何を見る)
(あの黒羽根は誰のために飛んだだろう)


「お前が死ねばよかったのに」


真っ暗な部屋の奥
黒い鏡の向こうで何かが笑った

きっとそれは俺だろう





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 UP:20/01/07 → ReUP:20/03/10